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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*なかなおり*



 走っても

   手を伸ばしても

  届かない君の背中。

 
 *なかなおり*


 「待ってよ」


 そんな私の言葉に

 君はこれっぽちも反応なし。

 振り返りもしないで

 ただひたすら

 足を前に運んでる。


 
 「待ってってば」


 ちょっと不機嫌そうに

 君の背中に手を伸ばしたけど

 私の手は

 君の背中をすりぬけて

 空を掴む。



 君の名前を呼んでも

 見えるのは

 5Mばかり前を歩く君の背中だけ。



 いつもだったら

 君の名前を呼んだら

 ちゃんと振り向いてくれるのに。

 
 いつもだったら

 “なに?”

 って

 笑って振り向いてくれるのに。。。



 そんな夢を見た

    ケンカした日の夕方。



 ケンカしたまんま帰ってきて

 ふてくされて寝た私。


 夢の所為?


 今すぐ君に会いたくなって

 飛んでっちゃった。




 『もしもし?』


 電話の向こうから聞こえてくる

 君の声に


 「もしもし?」


 なんだか嬉しくて心がはずむ。




 「来ちゃった」


 突然の私の言葉に


 『はぁ?』


 状況の呑み込めない君。


 「窓開けて」


 電話で君に指示をして


 「早く窓開けてよ」


 よくわかんないような顔して

 窓をあけた君に

 大きく手を振った。


 『・・何してんの?』


 不思議そうに私を眺める君に


 「逢いたかったから来ちゃった」


 さっきのケンカのことなんて

 忘れて

 君に逢いたかったキモチを

 真っ正面からぶつける。


 「・・・ストーカーじゃん」


 ようやく状況を呑み込めた君は

 鼻でふって笑って

 そんなこと言うんだもん。


 「うん。逃げても無駄だよ」

  
 強気にノってみた。


 「降りてきてくれないの?」


 早く降りてきてよ。

 早く君をぎゅっとしたいんだから。

 夢の中じゃ届かなかった君に

 早く触れたいんだ。。。



 
 「俺らってケンカしてなかったっけ?」


 君が降りてくるなり

 かけよって抱きついた私に

 君は呆れた声で言ったんだ。


 でも

 
 「これで許してよ」


 そう言って私は

 君をぎゅっと抱き締めた。









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bbs

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